「海外FXだと確定申告しなくていいんじゃ・・」
「海外FXは納税せずに滞納してもばれないかも」
国内FXと違い、海外FXは海外が拠点となるため、「税金の支払い義務がない」「払わなくてもばれない」「脱税できるかも」と考える人も多いようだ。
税金は支払わないとばれるか、ばれないか、そもそも納税の必要があるのか、をまとめた。
海外FXの税金逃れはバレる
結論からいうと、海外FXでの未納税、税金逃れや滞納、脱税は確実にバレるということだ。
バレないでそのまま支払わずにすむことはない。
脱税をしよう、税金逃れをしようという投資家の頭の中には、
・海外FXが国内FXと比較して若干税率が割高
・そもそも海外拠点だから日本の法律適用にならないんじゃ?
といった考えがあるようだ。
国内と海外では税率が異なる
国内FX業者では一律20%であるのに対して海外FX業者だと雑所得扱いとなるので、5~45%までの間で税率が変わってくる。
ほとんどの人は、税金だと海外FXの方が安くてすむが、稼いでいる人は累進課税が適用されるので、大きな金額を稼ぐ専業トレーダーは税率が国内よりも高いことが多い。
それでも国内業者ではなく、海外業者を使い続けるのは海外FXが税金を差し引いても有利、ということだ。
国内FX業者は税務署が個人のFX収益を完全に分かっている
国内FX業者は、「年間損益報告書」を投資家に開示している。
これは、DmmFX、ヒロセ通商、YJFX!、SBI証券といった大手から中堅どこの会社であっても例外ではない。
その報告書では、
取引損益、取引手数料、スワップ金利、キャッシュバック金額
といったものがすべて書かれているのだ。
そして
「外為為替証拠金取引における損益金合計額(スワップ金利を含む)は「雑所得」として課税の対象となります。」と注意書きがある。
「年間損益報告書」については、投資家と金融庁に提出されるようになっている。
国内FX業者は、金融商品取引業者としての登録が必須なので、「顧客の投資報告」が義務となっている。
これで税務署は、「年間損益報告書」と、実際の納税状況を比較して正しい納税が行われているかどうかを確認しているのだ。
対する海外FX業者はどうか
海外FX業者は、投資家別の年間損益報告書の提出義務がない。つまり税務署はこの報告書を海外FX業者から手にすることがないのだ。
となると、税金は支払わなくても、ばれることはなく、ばれないのでは?脱税もできそうだし・・
と考えるかもしれない。
しかし、世界的な観点からみると、「悪質な国をまたいだ租税回避行為」に対しては年々取り締まりが厳しくなっている。
現在は海外FX業者の拠点としている国はほとんどが租税条約を締結しており、国をまたいでの情報開示が行われている。
海外であっても、この条約により情報開示が行われている可能性が高いのだ。
特に日本の銀行へは100万円以上出金すると、その情報は税務署に開示される。Common Reporting Standard(共通報告基準)というのがあり、海外のFX口座であっても履歴が税務署に贈られるようになっているからだ。
これが100万円以下であっても日本の金融機関であれば、やり取りは残るので、税務署を欺くことは不可能だ。
ばれないことはなく、最終的には必ず脱税行為はばれると心得ておいた方がよい。
海外FXで脱税がばれるとペナルティが・・
海外FXで脱税がバレるとペナルティが課せられる。
本来よりも税金を多く支払うことになるのだ。
順番に
過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税
となっていて課税度合が厳しくなっていく。
・過少申告加算税とは
提出した期限内申告書に記載した税額が本来の税額より少ないときに課される税金
税率
納税額の10%
※期限内申告書に記載した税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%
※正当な理由がある、は更正の予知をしない修正申告の場合には課せられない
・無申告加算税とは
申告期限を守らず遅れて申告し納税した場合(期限後申告)や申告して納税しなくてはいけないのに申告しなかった場合に課される税金
税率
納税額の15%
※期限内申告書に記載した税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については20%
※決定を予知しないで自ら修正申告、期限後申告をした場合には5%
・不納付加算税とは
不納付加算税は、源泉徴収義務者(給与を支払う人)が源泉徴収税額を納付期限までに納めなかった場合に課される追徴課税のこと
税率
納税額の10%
※税務署からの指摘前に納付したら5%
・重加算税とは
納税者が偽装・隠ぺいなど悪質と判断された場合に課される税金のこと
税率
過少申告加算税、不納付加算税に代えて35%
無申告加算税に代えて40%
「ついうっかり」ではなく、意図的な隠ぺいを行って申告しないと「重加算税」が課されるケースもある。本来よりもさらに大きな税額となるので、利益もなくなってしまう。
おまけに、「重加算税」対象となると、税務署のブラックリスト入りとなることもある。
ブラックリスト入りになると
・税務調査の対象になる回数が増えて、税務調査のチェック項目も増える
ことになる。
海外FXで利益が出たら、必ず申告して確定申告で納税しなくてはいけない。